利益と売上の改善策を、こっそり教えます

この記事では飲食店の利益改善と売上改善について、基本的な考え方をご紹介します。

一般的に飲食店の利益率(営業利益)10~15%を目安に運営すべきといわれることが多いように思います。 また利益改善については、様々なコストが値上がりしている昨今、非常に困難な作業ではありますが、そんな苦しい経済状況だからこそ見直すべき箇所は、しっかりと改善したいものですね。

 「売上アップは長期的に、コストダウンは早急に。」というセオリーがありますが、利益改善は、変動費と固定費の項目を整理して、地道に見直しすることで誰でも早期に実現することができます。

 変動費と固定費の代表的なものは、下記の通りです。 

 <変動費>

・食材やドリンクの原価…目安:売上の30%以内
・人件費(アルバイト給与など)…目安:売上の25%以内
・水道光熱費
・販売促進費
・備品など消耗品補充費
・通信費 

<固定費>
・家賃
・保険
・クレジットカード手数料
・減価償却費 

 それぞれ複数の会社の条件を比べたり削減できる工夫がないか考えてみましょう。


 続いて売上の改善です。

 基本的な考え方(公式)は「売上=客数×客単価」 となるため、客数と客単価を現状より伸ばしていく方策を考えます。 


 順番に見ていきます。まずは「客数」です。 

「客数」は、『新規のお客様の獲得』・『既存のお客様のリピート』の2つに分解することができます。 

 <新規のお客様の獲得> 

新規のお客様は、様々な動機で来店されます。認知の浅いオープンしたての店では、①や④を中心に見直してみると効果的です。

①知人に連れられて  
…料理の美味しさ、お店の雰囲気やサービス、キャンペーン、パーティー
②グルメサイトの口コミを見て  
…目玉メニューの設定、ターゲットに即した価格設定
③SNSなどインターネットを見て  
…料理の盛り付けや内容の改善
④店の前を通った際  
…メニュー看板、店構え、清潔感や入りやすい雰囲気
⑤テレビ、雑誌などの取材 


<既存のお客様のリピート>

一般的な店舗のリピート率は30~40%といわれています。自店の足りない部分は何か振り返ってみてください。以下の切り口をご紹介します。 

 ①料理
・メニュー構成が気に入っている
・美味しい(特にドリンクやスイーツ)
・メニューにバリエーションがある
②価格・コストパフォーマンス
・定期的に来られる価格設定
・お手軽価格のメニューのバリエーションを増やす
・少し高価格のスペシャルメニューを用意する
・単価は高くなるもののコストパフォーマンスの良いメニューがある
③座席を増やす
・普段お客様の利用していないスペースを活用する
・混雑時の臨時対応を準備する(相席、移動など)
③座席稼働率(客数÷総座席数)を上げる
・来客人数にあわせた座席設置を行う
・店舗主導で着席をお願いする
・長時間滞在を禁止する 


 続いて「客単価」について考えてみます。 

単に全てのメニューを値上げするだけではお客様が離れてしまいます。そのため、以下のポートフォリオに分類して、戦略的にメニュー構成(内容と価格)を見直しすることをお勧めします。

花形:バリエーションや付加価値を付けてどんどん伸ばしていくメニュー

問題児:キャンペーンなどで注文数を増やしていくメニュー

金のなる木:ドリンクとのセットなどで単価を上げていくメニュー

負け犬:見直し対象とするメニュー 

「花形」メニューは、お店の売上・利益に貢献しているメニューです。そのため、お客様に飽きさせないために、食材の見直しなど付加価値を上げていく努力をしましょう。
「金のなる木」は、単価の引き上げに成功すれば、お店の売上・利益に大きく貢献します。そのため、セットメニュー(ドリンクやデザート)などを考案すると効果的です。
「問題児」は、食材ロスや調理時間ロスなどにつながっていないようであれば、お客様に声掛けして注文数を増やすなどの工夫が必要です。
「負け犬」は、見直しの対象としてメニューカットを検討します。


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大阪府中小企業診断協会 フードビジネス研究会

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